お家のリフォームをする場合、工事をすることで環境にどんな影響があるのか、健康面で心配することはないのかなども気になるところ。そこで、樹脂サイディングで外壁をリフォームする場合の、健康や環境に関する素朴な疑問にお答えします。
「塩化ビニルを燃やすとダイオキシンが大量発生する」は間違い!?
家の外壁のリフォームを考えています。その際にはおそらくいろいろな廃材が出るでしょうが、そうしたものを廃棄するときの環境の負荷について気になります。樹脂サイディングでリフォームした場合はどうなのでしょうか。
廃棄物を焼却するときに出るダイオキシンのことを考えられているんですね。
はい。樹脂サイディングはプラスチックの一種だと聞いたので、ダイオキシンがたくさん出そうなイメージがあるのですが、実際はどうなんでしょう?
ダイオキシンの構成元素には塩素が含まれます。塩化ビニル樹脂にも塩素が含まれているため、一時期はダイオキシン生成に塩ビ樹脂が大きく関わっているのではないかと言われていたこともありますが、そうではないことが最近わかってきています。
ダイオキシンはものを燃やす過程で自然に発生しますが、発生量は、燃やすものが何かではなく、どんな燃やし方をするかによって変わってくるのです。
“どんな燃やし方をするか”とはどういう意味ですか?
たとえば、野外でそのまま火をつけて燃やすと、どんなものを燃やしてもダイオキシンは発生します。ですから、森林火災などでもダイオキシンは発生しているのです。
それに対して、最近の日本のゴミ焼却炉は構造改良が進んでいて、ダイオキシンをなるべく発生させないような構造になっています。たとえば、焼却炉内の温度を高温で保つことで燃焼状態を安定化させたり、焼却炉を外気と遮断した構造にして、焼却炉内で発生したダイオキシン類が外に出ないような設計がされていたりします。また、焼却灰に含まれるダイオキシンについては、固化薬剤とセメントで安定化したうえで埋め立てを行うなど、環境を汚染しないよう徹底管理がされています。
焼却炉の改良によって、廃棄物を焼却する時に出るダイオキシンは減っているのですね?
そうですね。廃棄物処理から生じていたダイオキシンは、2015年では1997年と比較すると約1/150と激減しています。それに伴って、大気中の濃度(平均値)も大幅に減少し、2015年には環境基準値の約1/29となっているんです。
ただ、ダイオキシンはものを燃やす過程で出るということは、廃棄物自体をなるべく減らすことも大切だということですよね?
その通りです。
実は樹脂サイディングは他の外壁材に比べて非常に寿命が長いため、廃棄・焼却しなければいけない頻度が非常に低いんです。そういう意味では、樹脂サイディングは環境にやさしい外壁材と言えると思います。