中古一戸建て購入+リフォームで、計画に入れておきたい3つのリフォームをご紹介します。ポイントとなるのは、安全性や快適性に直結する住宅性能やバリアフリー、そして後々高額な費用が掛かる可能性が高い屋根と外壁です。
中古一戸建て住宅購入+リフォームで理想の家づくり
中古一戸建て住宅を購入し、自分たちの希望に合わせたリフォームをすれば、理想の家づくりができます。中古購入+リフォームのメリットは、何といっても、新築に比べ、立地や面積の割に価格を安く抑えることができるところにあります。
ただしリフォームのしかたによっては、想像以上に費用がかさんで予算オーバーをしてしまった、表面だけキレイにしたら安全性や快適性に劣る家になってしまった、後になって高額な費用が必要になったなど、こんなはずではなかったと後悔をしてしまうことも。
中古一戸建て住宅を購入する際には、まずは過去のメンテナンス履歴を確かめ、現在の状態を把握した上で、先々を見据えたリフォーム計画を立てることが肝心です。そうすることで、想定外の出費を防ぎ、また長く安心して暮らせる家にすることができます。
それでは、中古一戸建て住宅+リフォームで、計画に入れておきたい3つのリフォームをご紹介しましょう。
<ポイント1>家は見えないところが大事、耐震・断熱性能の向上リフォーム
中古住宅は築年数によって住宅性能が異なり、それによって安全性や快適性が大きく変わります。性能は見えにくいものですが、家は見えないところに大事なものが詰まっています。
中でも重要なのが耐震性能と断熱性能です。築年数が古い家はこれらの性能が低いことが多いため、安全性と快適性に劣る可能性があります。
最新の住まいはこれらの性能が高いため、地震に強く安全で、四季を通じて快適なので光熱費も安く済みます。
リフォームの際には、まずは現在の住宅性能を確認し、これらの性能向上リフォームを忘れずに計画に入れておきましょう。
耐震性能とは地震への強さを表すもので、1981年より以前に建てられた建物の場合は地震に弱い可能性があります。また木造住宅の場合は2000年より以前に建てられた建物は金物などが不足している可能性があります。
築年数によって必要な工事内容は異なりますが、大事なことは最新の性能基準に合致させる耐震リフォームをしておくことです。耐震リフォームの方法には、基礎の補強、壁の補強、金物の増強などがあり、しっかり行っておくことで、この先を安心して暮らせる住まいになります。
断熱性能は簡単に言えば家の保温力のことです。断熱性能が低いと外気の影響を受けやすくなり、冬は寒く、夏は暑く、結露が発生して、暖房光熱費がかさみます。
断熱性能は法律での縛りが無いため、築年数から性能を見極めるのは難しいのですが、築20年を超える家は概して性能が低く、快適に省エネに暮らすためには、断熱性能の向上リフォームをしておくことが欠かせません。
必要な工事内容は現状により異なりますが、共通するのは窓の性能向上です。窓は熱の流出がしやすく、断熱の弱点となる部位です。内窓を取り付ける、断熱サッシに交換するなどのリフォームで、対策しておきましょう。また屋根裏や床下、壁面にも断熱工事を施せば、更に性能が向上し快適になります。
断熱リフォームは意外と手軽にできる工事が多いのですが、範囲が多岐にわたるため、内容によって費用が大きく異なります。購入の際にはインスペクション(建物状況調査)を実施して性能の確認を行ない、事前に必要なリフォームの見積もりを取って、予算立てをしておくことが大切です。
<ポイント2>先々まで安心して暮らす、シロアリ、屋根・外壁のリフォーム
家を健康な状態で長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。これまでどのようなメンテナンスを行ってきたか、また現状使われている仕上げ材の種類や状態によっても、先々に掛かる費用が大きく変わってきます。
まずは床下を確認しましょう。日本のほぼ全国にシロアリは生息しています。シロアリの被害があると床がたわんだり、耐震性能が極端に落ちて危険な状態になることもあります。
防蟻処理は、およそ5年おきに行なうのが基本です。これまでの保証書を確認し、期限を過ぎている場合は、速やかに点検と防蟻処理を行ない、被害を受けた箇所は必要な補修を行っておきましょう。
<リフォーム前>
<リフォーム後>
屋根と外壁の確認も忘れずに行っておきましょう。中古一戸建て住宅では、購入した時には既にある程度、劣化が進んだ状態であることも少なくありません。
屋根と外壁は、どちらも家の構造部分を守る大切な役割があります。まずは現状を見極めることから始めましょう。
屋根と外壁は、現在の仕上げ材の種類や劣化の進行度によって、リフォームに必要な費用はもちろん、メンテナンスの頻度や先々に掛かる費用、そして残りの寿命も変わります。
どんなリフォームを選択するかで、後になって数百万円の差が開くこともあります。現状どのようなリフォームが必要か、また次のメンテナンスの時期はいつ頃か、その際にはどの程度の費用が掛かるのかも確認をしておきましょう。
例えば、モルタルの外壁の場合は10年おき程度に再塗装が必要になります。ヒビが入っている場合は、中に水が浸入していることも考えられます。
家の寿命は長いものです。今の外壁のまま再塗装リフォームを行ない続けるか、メンテナンスがラクでランニングコストが安い外壁材に変更をしておくか、先々に必要となる費用も考えあわせて計画を立てましょう。
メンテナンスが楽な外壁材には、再塗装やシーリングが不要なサイディング材もあり、この先の出費を大きく削減することも可能です。リフォームの際も、今ある外壁の上から張ることができるカバー工法を使えば、思うより手軽に工事ができます。
<ポイント3>バリアフリーは必須、後は予算に合わせて少しずつ手を入れる方法も
家の中で必ずやっておきたいリフォームもあります。それはバリアフリー化のためのリフォームです。バリアフリーであることは、高齢者のためだけでなく、家族全員が安全に暮らすためにとても大切なこと。住む前にバリアフリー工事をしておきましょう。
まずは床の段差を無くしておくことです。築年数が古い家は、敷居や和室の床に3㎝ほどの段差があることが少なくありません。家庭内事故でも、足もとが原因となった事故は多いもの。高齢者、妊婦さん、小さな子どもには特に危険な箇所となります。
工事方法には、敷居を取り外して床をフラットにする、スロープを取り付ける、もしくは床のフローリングの張り替えの際に床の高さを調整して段差を解消するなどの方法があります。
また階段には必ず手すりを設置し、足元は明るくしておきましょう。
今回ご紹介した、中古一戸建て購入+リフォームで、計画に入れておきたい3つのリフォームは、安全性と快適性を担保する住宅性能の向上、家の構造部を守り先々の出費を減らすシロアリ、屋根・外壁、そしてバリアフリー化です。
これ以外にも、水まわりを新しくしたい、床をフローリングにしたい、壁紙を貼り替えたいなどの要望があると思いますが、まずは家の基本となる部分を見逃さずに計画を立て、予算の分配をしていくことをおすすめします。
これら以外の部分に関しては、住みながら様子を見て少しずつ手を入れていく方法もあります。予算が合わない場合は、DIYで頑張ってみるのも楽しいものです。
中古一戸建て住宅購入+適切なリフォームで、理想の住まいづくりをめざしましょう。
下記に築30年の家に必要なリフォームと、実際の施工例をご紹介しています。参考にしてみてくださいね。