最近注目が高まっている樹脂サイディングとは、どんな素材なのでしょうか。「興味はあるけど、よくわからないので躊躇している」という方のために、樹脂サイディングの特長をまとめてみました。
北米では最もポピュラーな外壁材。日本の厳しい自然環境にも最適
樹脂サイディングとは、塩化ビニル樹脂でつくられたサイディングボードです。1965年にアメリカで製造が始まってからリフォームを中心に普及が進みました。その後、リフォームだけでなく新築用の外壁材としても急速に広まり、現在では北米における樹脂サイディングの採用率は、アメリカで55%、カナダでは70%以上にも上っています。
日本では「塩ビサイディング」と呼ばれることも多い樹脂サイディングは、1990年代半ばに販売が始まりました。樹脂サイディングの一番の特長は耐久性が極めて優れていることで、自然環境の変化が激しい日本においても、大切な財産である住まいをしっかりと守ることができます。例えば、潮風の影響を受けやすい海沿いの地域でも錆びることがなく、冬の寒さが厳しい地域でも凍結によりひび割れることがありません。また、木材のように腐ることもないので、雨が多い地域でも安心です。
こうした特長が知られるにつれ、北海道から沖縄まで全国各地で施工が増えている樹脂サイディング。今後、長寿命住宅が望まれる日本の住宅用外装材として、ますます普及することが予想されます。
簡単なメンテナンスで、いつまでも美しい外観をキープ
樹脂サイディングは、塩害、火山灰、酸性雨などに強く錆びることがないうえ、表面塗装ではなく材料に顔料が練り込んであるので、色がはげることがなく変色もほとんどしません。そのため、定期的な塗り替えが必要ありません。また、シーリングを使用せずに施工するため、シーリングの打ち替えも不要です。他の外装材がほぼ10年ごとに何らかのメンテナンスを必要とするのに比べて、ほぼノーメンテナンスですみます。
また、ほこりや泥などの軽い汚れは水洗いで簡単に落ちます。陽の当たらない壁面についたコケなども、中性洗剤を付けたブラシやスポンジで軽くこするだけでキレイになります。塗料などが付いた場合や万が一破損した場合は、一枚から交換が可能。手間いらずでいつまでも美しい外観が保てます。
他の外壁材に比べて超軽量なので、住まいに負担をかけにくい
樹脂サイディング材のリフォーム工事の場合は、外壁の塗装をせずに既存の壁の上に樹脂サイディング材を被せる工法で行います。サイディング材の重さは1㎡あたり2Kgと、他の外装材に比べて超軽量です。建物への負担が小さくてすむため、通常時はもちろん、強風や地震などによる建物への負担を最小限にとどめることができます。
また、最近注目が高まっている外張り断熱にも、樹脂サイディングはぴったりです。軽量なので外装材の重みからくる断熱材のゆるみが生じにくく、シーリング材を使っていないため、シーリング劣化部分から雨漏りなどが生じる可能性がないからです。
木材に近いやさしい仕上がりとバリエーション豊かなデザイン性が魅力
木材に近いやわらかな質感やカラフルな色合いは、洋風の家だけでなく和風建築にも、また最近主流のモダンテイストの建物にもよくなじみます。また、異なる色を組み合わせたり、たて張り・よこ張りなど張り方を変えたりすることにより、多様なデザインを創り出すことができます。
さらに、外壁とフェンスや塀などのテイストを合わせてお庭まわりとの一体感を演出したり、庭の樹木や草花といった植栽レイアウトを見直すことで、より住まいがひきたちます。