外壁素材の種類や特徴についてわかりやすく違いを教えてほしい[外壁についてもっと知りたい!]

お家を綺麗にしたい、外観もよくしたい、でもどこから始めたらいいの? そんな疑問にひとつひとつお答えする「もっと知りたい!」のコーナーです。今回は、外壁素材について。

外壁素材にはさまざまなものがあり、どういう素材を選べばいいのか迷ってしまうこともありますね。そんな素朴な疑問に答えて参ります。

目次

外壁の種類、いろいろ

そろそろ家の外壁を綺麗にしないとな、と思い始めました。外壁素材には、そもそもどんなものがあるのですか?

代表的なものに、モルタル、タイル、軽量気泡コンクリート(ALC)、サイディングなどがあります。それぞれに機能の違いや、見た目・雰囲気の違いがあります。

モルタルというのはよく耳にする気がします。どんなものなのですか?

モルタルとは砂とセメントを何層か吹き付けたもので、凸凹、ザラザラとした表情を持つものです。モルタルにはさまざまな仕上げ方があり、出来上がりの雰囲気がガラッと変わります。継ぎ目がなく、どんな形の建物にも吹き付けられるので、かつては外壁といえば圧倒的にモルタルでした。

よく使われていたということは、モルタルのメリットは大きいということなのでしょうか?

確かに、どんな形の建物にも使えるというのは大きなメリットです。さまざまな色や質感を選べて、建物全体の雰囲気を変えることもできます。
しかしモルタルには大きな欠点がひとつあります。乾燥によって収縮した場合、ひび割れが起きてしまうことです。経年によって、外観がいかにも古い感じに見えてしまうのはそのせいですね。いかにひび割れしにくい素材で仕上げるかが重要になってきますが、それでも多少のひび割れは回避できないかもしれません。また、現場職人の手作業に任せる部分が大きいため、技術の差がはっきりと出やすいとも言われています。

モルタル

タイルにはどんな特徴がありますか?

タイルは粘土を一定の形に焼き固めたもので、耐久性に優れているのがメリットです。傷がつきにくいだけでなく、汚れにくく色あせしにくい素材でもあります。海外の歴史的建造物にも多く使われていますね。

確かに、タイルというと、素敵な洋館、のような建物を想像しますね。いろいろな模様や色で楽しめるというイメージもあります。

それもタイルのメリットのひとつです。家全体の雰囲気を大きく左右します。

タイルはモルタルほど人気がなかったのはなぜでしょう?

タイル施工はモルタルより価格が高いのが理由のひとつでしょう。また、タイルそのものは非常に強い素材なのですが、施工がうまくいかなった場合や、継ぎ目が劣化した場合などは雨水が入り込みやすく、そこからタイルが浮いたり剥がれたりすることが多いのがデメリットです。

タイル

先ほどお話しいただいたなかで、軽量気泡コンクリート(ALC)というのは、あまり聞いたことがないのですが、どんなものなのですか?

軽量気泡コンクリート(ALC)は水に浮くくらい軽い素材で作られた外壁材で、熱に強いのが特徴です。吸水しやすい素材なので、雨水が染み込むことでその強度は多少低下しますが、乾燥すればまた強度を取り戻すことができます。
しかし冬場になると、吸水したのちに凍結し、そのせいでひび割れなどが起きる可能性があります。単体で使われる場合もありますが、上から塗装したり、タイルを貼ったりして強度を増して使われることが多いようです。

軽量気泡コンクリート(ALC)

サイディングについて知りたい!

では、「サイディング」って、どんなものですか?

最近人気が出てきている板状の外壁材のことです。モルタルやタイルのように現場で職人さんが作成、貼り付けしていくものではなく、工業製品を組み合わせて貼っていくので、品質が安定しています。サイディングには素材によって窯業サイディング、金属サイディング、樹脂サイディングなどの種類があるんですよ。

それぞれのサイディングの特徴を教えていただけますか?

そうですね。では、サイディングのなかでは最も多く選ばれている窯業サイディングからご説明しましょう。
窯業サイディングは、セメントや繊維質を原料にして板状にしたものです。さまざまなデザインや模様、色合いを選択することができます。ただ、定期的に塗装や貼り替えをする必要があり、それを怠ればサイディングだけでなく建物の劣化に繋がることもあります。

金属サイディングとは、文字通り金属製のものですね?

はい。金属サイディングは、金属の板を加工して板状にしたもので、かつてよく目にした「トタン」も金属サイディングのひとつと言えなくもありません。ただ、現在金属サイディングと言った場合、通常はガルバリウム鋼板というアルミと亜鉛でできた板を使うことが多いですね。そのほかにはアルミ、ステンレスなどを使うこともあります。使う金属素材によって耐久性もコストも大きく変わってくるので、金属サイディングにしようとする場合は、素材やメンテナンス法を詳しく聞いて検討することが必要です。

樹脂製のサイディングとは、どういうものですか?

樹脂サイディングというのは、塩化ビニル樹脂でできたサイディングのことです。日常生活で使うプラスチックと同じ原料からできているんですよ。樹脂が持つ撥水性や柔軟性、施工が楽なことや長持ちするというメリットがあります。まだ日本ではあまり普及していないので、デザインバリエーションが多いとはいえないことと、今現在扱っている工務店がそれほど多くないのが難点です。とはいえ、寒冷地を中心に徐々に需要が伸びているので、これからはもっと身近な存在になるかもしれませんね。

一口に外壁材といってもいろいろなものあるのですね。どのように選べばいいのでしょうか?

それぞれに特徴があり、メリットとデメリットがあります。ご予算はもちろんですが、デザインやご希望の雰囲気、耐久性、メンテナンスのしやすさなどの要素のうち、何を重要視するかを決めれば自ずと絞り込まれてくるかと思います。優先順位を決めておくと、工務店にも相談しやすくなりますよ。

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著者情報

外壁に関するデザイン情報、お困りごと、そしてご注意いただきたいノウハウなどを通じて、「樹脂サイディング(ゼオンサイディング)」のすばらしさに気づいていただくことを目指しています。

北米では外壁材として、とてもポピュラーな樹脂サイディング。
長寿命住宅が望まれる日本の住宅用外装材として、ますます注目されています。
お届けする情報を通して、多くの皆様のお役に立つことができましたら幸いです。

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