新築であれ外壁リフォームであれ、外壁を営業の差別化に利用することが、競合対策の大きな武器になります。
今回はリフォーム営業におけるお施主様へのヒアリングおよびきっかけトークについてお話しします。
テーマは塩害としますが、これは海沿いに住んでいる方が皆さん悩んでいる大きなテーマの一つと言えるでしょう。
①塩害対策のアピールでリフォーム受注を実際に取った事例をご紹介しましょう

本社は関西地方にあるとだけ申し上げておきますが、築45年の一戸建て住宅の外壁リフォームを取った事例となります。
本社自体は海から遠いのですが、お施主様のご自宅は2階の窓から海が見える立地状況です。
街自体が海に沿って発展していることもあり、塩害に悩まされている一戸建ての住人が多いことも会社はしっかり把握していました。
受注に至る経過は極めてシンプルでした。
海岸に近い場所に住んでいる方は、基本的に塩害に悩まされている可能性が高いだろうとの推測のもと、海岸に近い場所に建っている一戸建てをピックアップして、2,000枚程度のチラシを配布したのです。
そこに書かれたポイントは以下。
■外壁がボロボロになっていないか
■「塩害」を詳しく知っているか
■塩害でやられた外壁の実例写真
■詳しくは自社のホームページを見てほしい
まとめるとこうなります。
お施主様が困っているであろうことを推測し、その方たちに問題をストレートに投げかけているのです。
②効果的なヒアリングをするための下準備をA君は欠かさなかった

前出のリフォーム会社営業担当社員をA君としましょう。
今回のケースは海岸に近い古い一軒家に軒並みチラシを巻いて集客を図り、そこからの問い合わせで商談が始まりました。
面談にこぎつけるところまでは成功したのですが、ここからしっかりとヒアリングしなければ話は当然進みません。
A君とお客さんの会話を再現しましょう。
A君:「この写真をご覧いただきたいのですが、 〇〇さんの外壁にも同じような現象が現れていませんか」
お施主様:「そうそう、まさに家がこんな感じになっているので、ひょっとしたら塩害なのかなと妻と話していたんですよ」
ご紹介する会話はこれだけです。
この会話の肝は、お施主様にお見せした写真にあるのですが、A君は当てずっぽうで写真を選んだのではなく、狙いを定めて勝負したのです。A君は、鉄製のベランダや雨樋のあちらこちらが錆びていることが多い点に狙いを定めていました。
重要となるのはつぎの点です。
日々の営業活動を通して、地域の住宅の劣化傾向や特徴をしっかりと把握できているか。そして把握できていても、それをお施主様へ「視覚」で訴えかけることのできる事例写真やデータを持ち備えているか。
A君は、ベランダや雨樋のあちらこちらが錆びている、他の現場の事例をお客様に見せたのです。
これはこの先の具体的ヒアリングをスムーズに進行させるための導入です。
この前振りがあるからこそ、お施主様は前のめりになって自分のことを話してくれるのです。
③ゼオンサイディング®ならこのようなヒアリングができる

外壁にゼオンサイディング®(樹脂サイディング)を使用
【ペルソナ設定】
- 愛知県渥美半島
- 築35年の木造一戸建て
- 外壁は窯業系サイディング
- 夫、妻ともに60歳の夫婦
- 子供2人は独立して家を出た
このような方がいると仮定しましょう。
築35年の一般木造で、外壁は窯業系のサイディングを使用しています。
この場合、塩害によって塗膜劣化による光沢低下、白化や、腐食が進んでいて素地露出箇所からの水分による膨張(凹凸)などの可能性が十分に想定できます。
このケースで営業として着目したいのは、子供が既に巣立ち自分たちは第二の人生を迎える年齢になっていることです。
海沿いに建っている家では、住人が外壁をデッキブラシなどで定期的に洗って塩を落としているのが一般的です。
「この辺りは塩害地域とも言えるのですけども 壁のメンテナンスは大変だったのではないでしょうか?」
ヒアリングのきっかけの言葉はこれでOKです。
これに対して考えられる返答は2つ。
- さほど大変ではなかった
- 掃除は腰にくるから大変だった
いずれの答えであっても、この次にこのようなトークを続けてください。
「これから年齢が上がっていくと外壁のメンテナンスをご自分でやるのはかなり厳しいと思いますよ」
ここまでくればあとは自然に話が進みます。
そして、次のことを聞いてみてください。
「外装材の素材によって塩害による腐食の心配やメンテナンスの手間や費用が大きく異なることをご存知ですか?」
おそらくほとんどのお施主様はご存知ないことと思います。
そして次の内容をお施主様にお伝えしてみてください。
塩害地域の窯業系外壁のリフォームでは樹脂系塗料が多く活用されています。樹脂は塩害に強い素材だからです。その際には下塗り、中塗り、仕上げ塗りといった多層構造で被膜を厚くします。
しかし、薄い塗膜の場合ですとピンホールがあれば塩水が浸透する可能性があり、また経年劣化による防水性能の低下が心配です。
ゼオンサイディング®は樹脂製ですので、根本的に水を吸う性質がありません。つまり塩害はもちろん凍害や農薬、排煙などにも強い外装材だということ。ゼオンサイディング®の主流商品は、表面に塗膜を作るのではなく、顔料を練りこんだ樹脂製品なので、経年変化で撥水性が失われることがありません。
そして、更に次のように聞いてみてください。
「外壁リフォームは、人生で何度も経験するものではありません。塩害対策のためだけではなく、外観が一新して生まれ変わるようなリフォームに興味はありませんか?」
ゼオンサイディング®ならそれが可能なのです!
④「木造住宅外壁向け上張り断熱リフォーム工法」により断熱性能も上昇

外壁にゼオンサイディング®(樹脂サイディング)を使用
沿岸地域に住んでいる方に耐塩害性のアピールでリフォーム受注を推進することはできますが、比較的寒い地域であれば さらに「断熱性能向上」に関しましてもお話ししていただきたいです。
最近注目されている「木造住宅外壁向け上張り断熱リフォーム工法」をご存知でしょうか?この工法は既存の外壁を残したまま施工することから、お施主様は引っ越しや家具の配置変更なども不要で、住んだままリフォームできることが大きなメリットです。また、全体の工期短縮・コストダウンにもつなげることが可能です。
ゼオンサイディング®はこの工法との相性が極めて良いので、両者を併用した提案をすれば、塩害だけではなく寒さ対策になることも強くアピールできます。
このように塩害に悩んでいると思われるお施主様との商談では、塩害対策をメインに話すのはもちろんですが、それ以外の生活のお困りごと改善についてもヒアリングしましょう。
ヒアリング方法の一例をご紹介します。
営業:「塩害対策が非常に重要であることはご理解いただけたと思いますが、ヒートショックという言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?」
お施主様:「聞いたことはあるけども、確かにこの家の廊下は冬場寒くてしょうがないからね」
営業:「ヒートショックに関連して入浴中に亡くなったと推計される方は、交通事故でなくなる方の年間約4倍と言われているのです(※)。 今回お話ししたゼオンサイディング®は、塩などの外敵から家を守る重要な役目を果たすのですが、断熱材を併用したリフォームをいたしますと家を包むように断熱性能を高めることができて、ヒートショックの危険性も和らげることができるのです」
※出典:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター「冬場の住居内の温度管理と健康について」
要約するとこのような話になります。
リフォーム営業におけるヒアリングで重要なことは、お施主様が困っているであろうことを推察し、それに対する解決方法を営業が切り出すことにつきます。
沿岸地域でリフォームを検討するお施主様が居住されている家は、基本的には古い木造住宅であり、塩害だけではなく冬場の寒さでヒートショックの危険性があります。
今回ご紹介したように、海に比較的近いところにお住まいの方に対するリフォーム営業は、塩害と断熱の話を絡めながらヒアリングをすることをおすすめいたします。