リフォームの予算と実際にかかった平均金額、相場はどれくらい?

リフォームの予算と実際にかかった平均金額、相場はどれくらい?

リフォームで気になるのはやはり費用のこと。調査によると、予算と実際にかかった費用には差があるようです。今回は、過去3年以内に自宅のリフォームをした人の平均予算と実際にかかった金額、また昨今、上昇しつつあるリフォームに掛かる費用の相場をご紹介しましょう。

目次

リフォーム費用の予算の平均は261万円、実際にかかった費用は?

リフォームの予算と実際にかかった平均金額、相場はどれくらい?
リフォームでは途中で設備や建材のグレードをアップ。予算を越えてしまうことが少なくありません。

自宅のリフォームを検討している人への調査(※1)によると、リフォームへの不安な点は、

1位 費用がかかる
2位 施工が適正に行われるか
3位 見積もりの相場や適正価格がわからない

と、お金に関しての不安を感じている人が多いことが分かりました。

リフォームは状況によって費用が異なるので、お隣りの家が100万円だったからといって、わが家も同じとは限りません。加えて、金額ボリュームが大きいこと、建築工事は費用感が掴みにくいことなどから、不安を感じる人は多いことでしょう。

またしっかり予算を立てたつもりでも、実際にはその通りにいかないことも少なくありません。

過去3年以内に自宅のリフォームをした人への最新の調査(※2)によると、検討時の予算は平均261万円であったのに対し、実際にかかった費用は平均341万円。その差は80万円で、予算よりも約3割アップしたという結果が出ました。

予算を上まわった理由は、

  • 予定よりもリフォーム箇所が増えた
  • 設備を当初よりグレードアップした
  • 躯体や構造部分の補修など想定外の工事が必要となった

などが挙げられています。

建物の健康状態は表面から見ただけでは、内部まで分からないこともあります。たとえば一見劣化が無いように見える外壁でも、目に見えにくい細いクラックから水が浸入し、躯体や構造部分が腐食してしまうことがあります。そうなれば、補修費用もかさんでしまいます。

※1)リフォーム検討者調査/令和4年「住宅リフォームに関する消費者・事業者実態調査」一般社団法人住宅リフォーム推進協議会より
※2)リフォーム実施者調査/令和4年「住宅リフォームに関する消費者・事業者実態調査」一般社団法人住宅リフォーム推進協議会より

事前の調査で追加費用を出さない、予算には最低1割のゆとりをもたせて

リフォームの予算と実際にかかった平均金額、相場はどれくらい?
安心してリフォームに取り組むために、見積もりの際には綿密な現場調査をしてもらいましょう。特に、構造部分を守る屋根・外壁・床下はしっかり調査してもらうと安心です。

安心してリフォームに取り組むためのポイントは、事前にしっかりとした調査をしてもらい、想定外の費用をできるだけ抑えておくことにあります。

予算にゆとりを持たせることも大切です。ぎりぎりで計画を立ててしまうと、どうしても予算オーバーしてしまいがちです。予算には最低1割以上のゆとりをもたせて計画を立てましょう。

費用面で安心してリフォームに取り組むポイントは、

  1. 見積もりの際には信頼できるリフォーム会社にしっかり現場調査をしてもらう
  2. 事前の打ち合わせは念入りに、できるだけ追加が出ないようにする
  3. 追加が出ることを念頭に、予算に1割以上のゆとりをもたせておく

しっかり事前準備をしておけば、安心してリフォームに取り組むことができるでしょう。

リフォーム費用の相場はどうやって調べる?近年は値上がりの傾向も

リフォームの予算と実際にかかった平均金額、相場はどれくらい?
建築材料の価格が上昇しています。今後も値上がりが予測されているため、リフォームの計画がある人は早めにスタート、費用と工事時期を改めて確認しましょう。

リフォームを検討している人の悩みのひとつである、「見積もりの相場や適正価格がわからない」という場合は、相見積もりをとったり、リフォームの相場が掲載された本などを利用したりするのもいいでしょう。

相見積もりとは、同じ工事内容を複数のリフォーム会社に依頼して、費用や工事内容、対応などを比較することをいいます。

相見積もりは、単純な金額比較のためだけではなく、自分が求めるリフォームを実現してくれるかを様々な視点から見極めるために行ないます。3社ほど相見積もりをとれば、およその費用相場が分かることでしょう。

また建築工事に必要な価格が記載されている本、たとえば経済調査会が編集・発行を行っている「積算資料ポケット版リフォーム編」などを利用するのもいいでしょう。

積算資料ポケット版リフォーム編は、毎月全国で市場調査を行ない、その年のリフォーム価格相場を掲載しています。古くからある本で、多くの工務店やリフォーム会社、設計者が利用しています。

たとえば、この本の2022年版で、「化粧スレート屋根をカバー工法で金属屋根に葺き替える場合」を見てみると、2,595,000円となっています。(2階建て、屋根面積計101平米、屋根こう配4.5寸、施工日数5日程度)

同じ工事を2年前の2020年度版と比較してみると、工事費用は2,301,000円、主に材料費の値上がりにより、30万円近く上昇していることが分かります。(価格は積算資料ポケット版リフォーム編2022を参照)

リフォームの材料費は、年々上昇傾向にあり、今後更なる値上げも予測されます。中には入手に時間がかかる設備もあります。リフォームの予定がある方は、一歩早めに計画を進め、改めて費用や工事時期の確認をしておくといいでしょう。

内装や外壁リフォームの費用の相場は?

リフォームの予算と実際にかかった平均金額、相場はどれくらい?
カバー工法でリフォームができる樹脂サイディング。シーリング工事や再塗装が不要で、凍害や塩害にも強いなど高耐久な外壁材なので、先々のメンテナンス費用が削減できます。
(写真提供/Royal Building Products)

リフォームの予算を立てるにあたり、内装や外壁リフォームのおおよその金額をいくつかご紹介しましょう。これらはあくまでも一例であり、状況により価格は変わります。

<内装>

  • 畳をフローリングにする(6畳) 約15万円~
  • 開き扉を引き戸にする(後付け用引き戸) 約8万円~
  • 手すりの取り付け 約2万円~
  • 壁・天井のビニールクロス張替え(6畳) 約6万円~

<水まわり>

  • キッチン・浴室・洗面・トイレ4点パック 約200万円~

<外回り>

  • スレート屋根の塗装 約60万円~
  • 外壁サイディング張り(カバー工法) 約150万円~

外壁のリフォームに関しては、工事面積が広いため使用する外壁材や工事方法によって費用が大きく変わります。また家の形状によっても費用が異なるため、変動が大きくなります。こちらにご紹介している数値はあくまでも最低金額と考えておくといいでしょう。

更に、外壁はメンテナンスの際も、面積が広いだけに、工事頻度や内容によってかかる費用の差が大きく開きます。外壁材と工法について検討する際には、初期費用だけでなく、メンテナンスの頻度とその際にかかる費用を確認して選びましょう。

不安が多いリフォーム費用に関することも、事前準備とゆとりを持たせた予算計画、相場を知っておくことで安心して取り組むことができるようになります。

下記に築年別に必要なリフォームと掛かる費用をまとめてご紹介、コストを削減するコツもご紹介しますのであわせてご覧ください。

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著者情報

Yuu(尾間紫)のアバター Yuu(尾間紫) 一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー

長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」でリフォームの実践的なノウハウを公開中

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