北欧スタイルの家に住みたい!北欧住宅の特徴と魅力

北欧スタイルの家に住みたい!北欧住宅の特徴と魅力

北欧と聞くと、オーロラやフィヨルドの大自然、IKEAを代表とするインテリアやカラフルな雑貨、マリメッコのファブリックなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。日本での北欧デザインの人気は高く、近頃は北欧スタイルの住宅に住みたいという人が増えています。

今回は、北欧スタイルの住まいづくりに役立つ、北欧住宅の特徴や魅力をご紹介します。

目次

自然と調和するシンプルな外観と三角屋根

シンプルでありながら洗練されたデザインの北欧住宅。直線的なラインで構成されたスッキリとしたフォルムと、くすみ感のある色の組み合わせは、まるで絵本に登場する家のよう。愛らしさに溢れています。

そして、雪の多い北欧では、積雪対策として考えられたシンプルな形の三角屋根が一般的です。大きな急こう配の屋根が多く見られ、雪が積もることなく自然に地面へ落ちるように計算されています。

北欧スタイルの家に住みたい!北欧住宅の特徴と魅力
三角屋根とアースカラーの外壁が北欧住宅の基本スタイルです。

積雪対策でデザインされた屋根は他にもあります。屋根が途中で折れ曲がり、勾配が変わるマンサード屋根(腰折れ屋根)です。一風変わった形をしていますが、積もった雪が滑り落ちやすく、屋根の水はけをよくする効果があります。牧歌的で自然豊かな北欧の風景にしっくりと馴染む佇まいです。

北欧スタイルの家に住みたい!北欧住宅の特徴と魅力
マンサード屋根の独特なデザインは、雪の多い北海道でも見られます。

北欧らしい色づかいが目を惹く外壁

北欧では、深い赤やグレイッシュカラーの外壁が多く見られます。赤は伝統的に使われてきた色で、ベンガラと呼ばれる酸化第二鉄が主成分です。

日本でも古くから使用され、木材に塗り込むことで耐久性や防腐効果を発揮します。北欧の厳しい自然環境下で、大切な住まいを守る役割りをしているのです。

北欧スタイルの家に住みたい!北欧住宅の特徴と魅力
意匠性だけでなく機能性も高い赤い外壁。雪の中で美しく映えます。

北欧住宅は外壁デザインが決め手

北欧住宅の魅力は、外壁の色合いやデザイン性の高さにあります。サイディングによるものが多く、横張りや縦張り・縦横ミックスなど、さまざまな張り方がありながらも、シンプルさは変わりません。石やレンガといった風合いの異なる素材を組み合わせることもあり、自然と調和するような温かみを感じさせます。

日本の住宅に北欧スタイルを取り入れる場合には、既存の外壁の上から樹脂サイディングを張ることで、グッと雰囲気を高められます。ナチュラルなアースカラーを選べば、より一層北欧感あふれる外観に。1階と2階を色分けしたり、部分的にアクセントカラーを取り入れたモダンテイストも人気があります。

北欧スタイルの家に住みたい
グレイッシュなグリーンのラップサイディング(横張り)と白い窓枠のコントラストが美しい。
(写真提供/Royal Building Products)

額縁のような白い窓枠

北欧住宅といえば、額縁のような白い窓枠も特徴的です。この窓サッシの周囲に取り付けられた白い部分は、モールディングといいます。窓周りが印象的に装飾され、豊かさやあたたかみを添えています。

北欧スタイルの家に住みたい!北欧住宅の特徴と魅力
家の表情を豊かにする白い窓枠

窓枠以外にも、屋根の破風や鼻隠しといった屋根を縁取る部分なども白で統一。デザインを一つにまとめるアクセントカラーとして、白は効果的に使われています。

細かいディテールに配慮された外観からは、北欧で暮らす人々の美意識の高さが感じとれます。

高性能の窓で寒く長い冬を快適に過ごす

窓には、断熱性・気密性の高い木製サッシや三層ガラス(トリプルガラス)が使われることが多く、大きな窓を設けても部屋の暖かさを逃さないように考えられています。

北欧は日照時間が短いため、太陽の光をしっかり取り込みながらも、部屋の温度を下げないように工夫されているのです。

ドーマー窓で短い日照時間を有効利用

少ない陽の光をできるだけ室内に採り込むために、屋根裏部屋や吹き抜けにドーマー窓を設けることがあります。屋根から突き出したようなデザインは、住まいの機能性を高めるだけでなく、外観のアクセントとしても効果的です。

室内を心地よくするインテリア

北欧スタイルの家に住みたい!北欧住宅の特徴と魅力
ナチュラルな内装にカラフルなラグ、一つひとつデザインの異なる椅子や小物使いが北欧らしい。

冬の気温が氷点下にまで下がる北欧。人々は厳しい寒さの中、いかに室内で快適に過ごすかということを考えて暮らしてきました。

デザイン性が高くシンプルで飽きのこない北欧家具や生活雑貨は、そんな暮らしの中での経験が活かされて生まれたのでしょう。

心地よい空間づくりのアイデアが盛り込まれた北欧デザインの数々は、もはや日本の暮らしに欠かせないものになりつつあります。

アースカラーを基調とした内装に差し色を効かせる

壁や床、天井といった内装は、白・グレー・ブルーグレー・ベージュ・カーキなどのアースカラーを基調とした自然をイメージさせる色が多く使われます。

その空間の中に、ラグやファブリックパネルなどで鮮やかな色を添えたり、壁面の一部にアクセントカラーを取り入れたりすることで、北欧スタイルのインテリアが完成するのです。

シンプルで愛らしい北欧スタイルの住宅事例

日本の住宅に取り入れやすい、グレイッシューカラーやツートンカラーでコーディネートした住宅事例をご紹介します。

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ツートンカラーの樹脂サイディングが美しい住まい。玄関ドアのオレンジ色がほどよいアクセントに。
(写真提供/Royal Building Products)

グレイッシュなグリーンと白を組み合わせた樹脂サイディングが目を惹く一軒家。全体を一色でまとめると落ち着いた雰囲気になりますが、このようにツートンカラーにすると、個性が感じられる、おしゃれな外観に。縦張りと横張りをうまく組み合わせたサイディングが、家全体にほどよいリズム感を与えています。

北欧スタイルの家に住みたい!北欧住宅の特徴と魅力
(写真提供/Royal Building Products)

木目を活かしたグレーのサイディングは、シックでスタイリッシュ。グレーは比較的汚れが目立ちにくいというメリットもあります。

落ち着きのあるグレーの外壁は、北欧のナチュラルな雰囲気を漂よわせながらもスタイリッシュな印象です。濃いグレーにすると重厚感のあるモダンな雰囲気を演出でき、白い窓枠とのコントラストが際立つ外観に。

北欧住宅のデザインは日本の住まいに馴染みやすく、このように木目が印象的な外壁も樹脂サイディングで取り入れることができます。ぜひ参考にして、北欧スタイルの素敵な住まいづくりを実現させてください。

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著者情報

神谷三理砂のアバター 神谷三理砂 ライター/一級建築士

建設会社にて意匠設計を担当。アメリカでジュエリー制作やアートを学び、独立後は住宅兼カフェの設計や装飾品のデザインを手掛ける。現在は、おもに住宅や暮らしに関する執筆を行っています。

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