和風の家の外壁にサイディングを使う際は、洋風とはまた違った選び方が必要です。今回は、和風の家に似合うサイディングの選び方、洋風のラップサイディングを和風に使いこなすアイデア、純和風の家をリフォームでおしゃれな洋風の外観に変身させた事例もご紹介します。
自然素材を多用するのが和風の家の外壁の特徴。最近ではサイディングの活用も
和風の外観の家は、伝統的な和風から現代的な和モダンまで、根強い人気があります。
和風の家の外壁には、漆喰、板張り、砂壁、天然石など、自然素材が使われることが多く、漆喰と木、砂壁と天然石などを組み合わせた外観デザインもあります。
また板の張り方にも種類があり、重ねながら横に張る下見板張りや、たて張りの押し縁仕上げなどがあります。
とはいえ、現在の日本で建てられている新築住宅の80%以上(※)が外壁にサイディングを使用、和風の家の外壁にもサイディング材が使われるようになっています。
サイディング材のメリットは、寿命が長くメンテナンスが簡単で、美しさが長持ちするところにあります。また自然素材をリアルに再現したものもあり、色柄が豊富に揃っているので、使い方次第で伝統的な和風から和モダンや和洋折衷など、様々な外観デザインの家が作れます。
他にも、サイディングと天然石を組み合わせたり、部分的に本物の漆喰を使ったりするアイデアもあるので、上手に選んで我が家ならではの和風の家を目指しましょう。
※)平成30年3月版『住宅用建材使用状況調査』/(一社)日本サッシ協会調べ
彩度、ツヤ、和の色、洋風とは違う色の選び方。和モダンにしたいならコントラストを意識
和風の家と洋風の家では、外壁の色の選び方が異なります。和風の家にしたい場合は、土、砂、岩、木、焼いた木(墨)、石灰(白)、黒鉄、錆の色(くすんだ赤)など、自然素材に由来する色を選ぶとよいでしょう。
サイディング材で和の雰囲気を出したい時は、彩度(あざやかさ)を落とした色を選ぶのがポイントです。例えば黄色系を選ぶ場合、洋風の家ではクリーム色など明るく鮮やかな色を選ぶことが多いのですが、和風の家では黄土色、つまり少しくすんだ色を選ぶとしっくりと落ち着きます。
またツヤにも注意が必要です。自然素材でツヤのあるものは少ないので、外壁材もツヤを抑えたものを選ぶのが基本です。ツヤを出したい場合は、ツヤ出し仕上げをした天然石と組み合わせるとまとまりやすくなります。
和モダンな外観の家にしたい場合は、白色と黒色、木の色と黒色、黄土色と墨色など、色の対比を際立たせて。コントラストをはっきりさせると、モダンでおしゃれな雰囲気になります。
洋風のラップサイディングを和の家に使うアイデア。個性的でモダンな雰囲気に!
一般的に洋風の家に使われるサイディングを、和の家に使うアイデアもあります。例えば、こちらはラップサイディングを使った洋風の家です。ラップサイディングとは、板を重ね張りするサイディング材のことで、和の伝統的な仕上げである下見板張りと共通したデザインです。
こちらはラップサイディングと、たて張りのサイディングを組み合わせた家の事例です。北米の住宅なのですが、外壁を見ると和風の家と通じるものがあります。実は住宅の外壁は、世界で共通しているデザインが多く見られます。
こちらのサイディングのカラーバリエーションは落ち着いた自然の色が多く、木目をリアルに再現したタイプもあります。
和風の家だからといって、必ずしも和風のサイディングから選ぶ必要はありません。幅広いデザインから選ぶことで、我が家ならではの和風の家を作ることができます。
リフォームで純和風の家がおしゃれな洋風の家に大変身した事例
和風の外観の家を洋風に変えたい!そんな要望も少なくありません。こちらは、純和風の家をおしゃれなアメリカンハウスに変身させたリフォーム事例です。
1階の大きな屋根を延長して作ったカバードポーチはまさにアメリカン!外壁には樹脂製の白いラップサイディングを張り、ウッドデッキとの相性も抜群です。屋根に見える煙突は薪ストーブのためのもの。元の家の形を生かしながら、デザインや外壁選びの工夫で、こんなにステキな洋風の家に生まれ変わりました。
樹脂サイディングは、カバー工法で今ある外壁の上からも張ることができるので、リフォームでも使いやすい外壁材です。
和風の家だからこうあるべきといった決まりはありません。和風を極めるもよし、モダンにするもよし、洋風に変身させるもよし。サイディングを上手に選んで、おしゃれな家づくりを楽しんでくださいね。
下記で、人気の外観デザインの中から、シンプルモダン、ナチュラルモダン、和モダン、南欧風スタイル、アメリカンスタイルの5つのテイストを上手に作るコツをご紹介しています。参考にしてみてください。
リアルな木の質感を再現したサイディングの紹介はこちらから。和風の家に映えるカラーも揃っています。