赤色の外壁の家は日本に似合う?おしゃれな事例写真を見て色選びの参考にしよう

赤色の外壁の家は日本に似合う?おしゃれな事例写真を見て色選びの参考にしよう

赤色の外壁の家の事例写真をご紹介します。外壁に赤色を選ぶのは難しそうに感じますが、ポイントを押さえれば大丈夫!おしゃれで個性的な住まいを作ることができ、日本の街並みにもすんなりと溶け込んでくれます。

目次

日本でも古くからある赤色の外壁の家、街並みに似合う赤色の選び方

日本でも古くからある赤色の外壁の家、街並みに似合う赤色の選び方
ジャパンレッド発祥の地にある、赤色の外壁の家。赤銅色の石州瓦とベンガラ色の外壁、白いしっくいの壁とのバランスが美しい(吹屋ふるさと村)

日本で赤色の外壁というと、あまりなじみが無いと感じる人もいるかもしれません。

ところが、実は日本において赤色の外壁はそれほど珍しいものではないのです。

太古の時代には神社などで使われることが多かったのですが、江戸時代中期ごろになると、ベンガラ(鉄のさび色)が生産されるようになり、住宅にも使われるようになっています。ベンガラは漆器などにも使われ、その赤色はジャパンレッドとも呼ばれています。

そして明治になるとレンガ造りの建物が登場。工事に手間と費用が掛かることから、赤いレンガの外壁は高級な家の象徴的な存在となりました。

赤色は、個性的でおしゃれな外観を作ることができ、また家のデザインを選ばないので、意外と使いやすい色です。また色の選び方次第で、日本の街並みにもすんなりと溶け込んでくれます。

注意したいのが、ひとくちに赤色と言っても、えんじ色、ワインレッド、深紅、朱色、濃いピンクなど色味が多岐にわたっていて、印象がそれぞれ異なるため、選んだ色によって家のイメージが大きく変わることです。

住まいには格式も必要です。外壁に赤色を選ぶ場合は、えんじ色やワインレッド、くすんだ赤色、レンガ色など、彩度(あざやかさ)を下げて選び、落ち着きや重厚感を演出するようにしましょう。

鮮やかな深紅や朱色を使いたい場合は、外壁の一部や玄関ドアなど、外観のアクセントとして使うと、まとめやすくなります。

色使いのお手本にしたい、海外の赤色の外壁の家の事例

色使いのお手本にしたい、海外の赤色の外壁の家の事例
重厚感がある深い赤色の外壁。縦張りと横張りを組み合わせ、グレーのサイディングと張り分けることで、重すぎず軽やかな雰囲気に。
写真提供/Royal Building Products

色使いのお手本となる、海外の赤色の外壁の家の事例からご紹介しましょう。こちらは、茶色がかったくすんだ赤色のサイディングの家です。日本のベンガラ色と少し似たイメージです。

全体を同じ赤色にするのではなく、横張りと縦張りのサイディングを組み合わせてリズム感を生み出し、また部分的にグレーを使ったり、窓枠の白を効かせたりすることで、重くなり過ぎず、明るい雰囲気の外観デザインに仕上がっています。

赤色の外壁の家は日本に似合う?おしゃれな事例写真を見て色選びの参考にしよう
木の表情を模した赤みがかった茶色のサイディングと自然石の組み合わせ。アウトドア用の家具ともカラーコーディネート。

こちらは、サイディングと自然石の組み合わせです。上部には天然木を模した、ベンガラ色を少しくすませたような赤みがかった茶色のサイディング材が張られています。ナチュラルな赤色は、派手過ぎず品があります。

下部はランダムな色合いの自然石で、その間に白い装飾材を入れ引き締めています。外壁面の全てを赤色にすると重厚感が出過ぎる、派手過ぎると感じる場合は、このように張り分けのテクニックを使うといいでしょう。

赤色と相性がいいのは、グレーや白などの無彩色や、同じ赤色のグラデーション、自然素材の茶色などです。

赤色の外壁の家は日本に似合う?おしゃれな事例写真を見て色選びの参考にしよう
街並みに美しく溶け込みながら、ひときわ個性と存在感がある赤い外壁の家。

落ち着いた赤色の外壁が、街並みに美しく溶け込んでいる様子です。海外では、街並みの統一感や美しさを大切にする傾向が強く、家づくりの際には景観を乱すことなく、その中で個性や存在感を出すように考えます。

海外の家は日本に比べてカラフルですが、だからこそ色選びやバランスの整え方の上手さが際立っているのですね。

緑の木々の中で映える、落ち着いた深い赤色のサイディングの家

緑の木々の中で映える、落ち着いた深い赤色のサイディングの家
落ち着いた赤色の外壁が、緑の中で映えています。屋根とのバランスも美しい!
(写真提供/住研ホーム(株)

日本で赤い外壁の家を成功させた、おしゃれな事例写真をご紹介しましょう。こちらは、落ち着いた深い赤色のサイディングの外壁の家です。シックな赤色が緑の中で映えています。

赤色と緑色は「補色」と呼ばれる関係で、色の輪の反対側同士にあり、実はとても相性がいい色同士です。クリスマスツリーに赤い飾りが映えるのも補色同士だからこそ。

外壁で緑と赤を組み合わせると対比が強過ぎて難しいのですが、緑の木々の中では、赤色の家はとてもキレイに見えます。

また1階の屋根の色とのコントラスト、分量バランスが美しく、このような色味とデザインなら、別荘地はもちろん、街並みにもよく似合い、我が家ならではの個性を演出してくれます。

赤色の外壁と白い塔屋、華やかで個性的な街のシンボルフラッグになる家

赤色の外壁の家は日本に似合う?おしゃれな事例写真を見て色選びの参考にしよう
赤色のサイディングの外壁に、とんがり屋根の白い塔屋がアクセント。華やかで美しい街のシンボルになる家
(写真提供/小栗工務店

こちらは西部開拓時代の駅舎を思わせる赤色のサイディングの外壁に、とんがり屋根の白い塔屋をアクセントにした家です。

インパクトが強い外観ですが、赤色の分量バランスが秀逸で、外壁面の赤色、屋根の黒色、塔屋の白色を、色使いの黄金比と呼ばれる70:25:5に近付けることで、安定した落ち着きと美しさが感じられる外観に仕上がっています。

華やかな中に、住まいの品格を備えた素晴らしい外観デザインで、存在感が抜群なので、街のシンボルフラッグ的な存在になりそうです。

窓のデザインがアクセントの赤色の外壁の家、外構はレンガでコーディネート

窓のデザインがアクセントの赤色の外壁の家、外構はレンガでコーディネート
赤色の外壁に、左右対称の白い窓がアクセント。窓のデザインにもこだわることで、外観のデザイン性が格段にアップ
(写真提供/小栗工務店

三角屋根の可愛らしいフォルムに、深い赤色の壁、白い窓が印象的な外観デザインの家です。赤色の外壁では特に窓の存在が目立つので、窓の形や大きさ、配置にこだわることが、赤い外壁の家を成功させるためには欠かせません。

こちらの家の場合は、窓を左右対称に配置することで、整った印象があります。また玄関前の階段や塀を、レンガなどを使って赤色のグラデーションでまとめ、外観に統一感を生み出しています。

他にも赤色の外壁の成功事例はたくさんあります。下記には、クリーム色のモルタルの外壁から赤色のサイディングにリフォームをしておしゃれに変身した事例がありますので、ご覧になってみてください。

また下記ではアルプスの少女ハイジに出てくるような、三角屋根の赤い外壁の家をご紹介しています。

赤色は上手に使えば個性的でおしゃれな家になり、日本の街並みにもよく似合います。色選びや分量バランス、窓のデザインにもこだわって、我が家ならではの赤色の外壁を探してみてください。

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著者情報

Yuu(尾間紫)のアバター Yuu(尾間紫) 一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー

長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」でリフォームの実践的なノウハウを公開中

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