カリフォルニアスタイルのラップサイディングはどうすれば実現できる?

カリフォルニスタイルのラップサイディングはどうすれば実現できる?

カリフォルニアやハワイに建っているような横張りの板壁「ラップサイディング」の家に憧れる人は少なくありません。ラップサイディングにするには、どういう方法があるのでしょうか。ラップサイディングに使われることが多い素材と、選び方のポイントを解説します。

目次

最近人気のラップサイディング。魅力は素朴さと木の質感

最近人気が出ている横張りの板壁のことをラップサイディングと言います。本物の木材ではなく、木材風に加工された外壁材であることがほとんどです。
最近人気が出ている横張りの板壁のことをラップサイディングと言います。
本物の木材ではなく、木材風に加工された外壁材であることがほとんどです。

カリフォルニアやハワイの住宅のような、カリフォルニアハウスやサーファーズハウス、ビーチハウスなどと呼ばれる一軒家は、最近日本でも若い層を中心に人気が高まっています。

その特徴は何と言っても、素朴さと温もりを感じさせるラップサイディング。ラップサイディングとは、平たい板状に加工されたサイディング(外壁材)を少しずつ重ねて張っていくもので、「下見張り」「鎧張り」とも呼ばれています。天然木が豊富なアメリカでは昔から木材が外壁材としてよく使われてきましたが、現在では木材以外のものが主流になっています。

では、日本でカリフォルニアスタイルの家を建てる場合、どのような選択肢があるでしょうか。

天然木の木材を張っていくのは現実的ではないため、現在では大きく分けると以下の3つのサイディングのいずれかを使うことがほとんどです。

  • 木質サイディング
  • 窯業サイディング
  • 樹脂サイディング

それぞれの特徴と選ぶ際の注意点を次の章で解説しましょう。

3つの素材から選択可能。立地条件によっては注意が必要なことも

塩害や紫外線の影響を受けやすい場所にラップサイディングの家を建てる際は、素材選びに気を付けた方がよいでしょう
塩害や紫外線の影響を受けやすい場所にラップサイディングの家を建てる際は、素材選びに気を付けた方がよいでしょう

木質サイディング

その名の通り、木を材料としたサイディングです。一番の魅力は自然な木の質感で、熱を吸収しにくいため、直射日光が照りつけるような土地でも熱がこもりにくく、快適に過ごすことができます。経年劣化も味として捉えれば、年を重ねるごとに馴染んで風合いが増してくるのを楽しめます。

とはいえ、あまりにもメンテナンスを怠ってしまうと、家の寿命が短くなってしまいます。天然木は熱を吸収しにくいとはいえ、紫外線の影響を受けにくいわけではありません。西日が長くあたる面などはどんどん傷んでしまいます。また、水に弱い木質サイディングは、雨の多い日本ではどうしても劣化が早くなってしまうため、頻繁に塗り替えなどを行えない場合は避けた方がよいかもしれません。

窯業サイディング

外壁材としてポピュラーな素材である窯業サイディングは、カリフォルニアスタイルのラップサイディングの家でもよく使われています。カラーバリエーションも豊富で、我が家を好みの色合いにすることができるのがメリット。

ただし、窯業サイディングは塩害に弱いというデメリットがあります。塩分を多く含んでいる風にさらされると塗膜の腐食が早く進んでしまうのです。頻繁に水洗いをして塩分を落としたり、再塗装の間隔を短くしたりといった対策が必要になります。

樹脂サイディング

アメリカやカナダなどで広く外壁材として使われている樹脂サイディング。主な素材は塩化ビニル樹脂で、水や湿気をほとんど吸わず、塩がついても雨などで自然に流されてしまうため、海沿いの地域に使用するのに適しています。また、素材自体に顔料が練りこまれていて、長期間使用しても色が剥げたり色落ちしたりしにくく、建てた当時の美しさを長くキープすることができます。また、コーキングを使用しないので、将来的な打替えも必要ありません。

難点は、日本ではまだ普及が進んでいない外壁材なので、積極的に採用をする工務店がまだ少ないこと。傾向としては、神奈川県湘南エリアなどを中心に、他県でも海沿いのエリアに施工実績がある会社が多いので、インターネットなどで探してみるといいでしょう。

ラップサイディングの家に樹脂サイディングをおすすめする理由とは?

樹脂サイディングは塗り直しが不要。汚れが気になるところを水洗いする程度のメンテナンスで、設置時の美しさを長くキープすることができます。
樹脂サイディングは塗り直しが不要。
汚れが気になるところを水洗いする程度のメンテナンスで、設置時の美しさを長くキープすることができます。

カリフォルニアスタイルのラップサイディングの家は、その雰囲気も相まって、海沿いのエリアに建てられることが多いのですが、塩害や紫外線の影響などを考えると、「メンテナンスのコストや手間はかさんでもいいので、どうしても木の風合いにこだわりたい」というわけでないなら、樹脂サイディングにするのがおすすめです。

最初に設置する際のコストが、他の外壁材に比べて高めになることを心配する人もいますが、樹脂サイディングは定期的な塗替えやコーキングの打替えがいらないため、設置後ほぼノーメンテナンスでいられることを考えると、あまり変わらないかむしろお得になるケースも多いのではないでしょうか。

一枚一枚が軽量で家に負担をかけにくいのも樹脂サイディングの特徴です。とはいえ、風の強い海沿いでも、適切に施工されていれば、ずれたり飛ばされたりする心配はありません。ハリケーンが多いアメリカで大きなシェアを誇っていることを考えれば、納得はいきますね。万が一、モノが飛んできたりして壊れたり割れたりした場合は、その部分だけを補修をすることができます。樹脂サイディングはもともと色あせがほとんどないため、補修した部分が目立ちにくいのもポイントです。

リフォームでもカリフォルニアスタイルの家はつくれる!

リフォームでもラップサイディングにすることは可能。ちょっとした工夫で、カリフォルニアスタイルの雰囲気がでます。
リフォームでもラップサイディングにすることは可能。
ちょっとした工夫で、カリフォルニアスタイルの雰囲気がでます。

リフォームでカリフォルニアスタイルのラップサイディングにするにはどうすればいいでしょうか。

外壁材を張り替えるということももちろん可能ですが、樹脂サイディングを使った「カバー工法」という手もあります。既存の壁の外側に、樹脂サイディングを被せてしまうのです。

この方法だと、既存の壁を撤去する手間やコストが掛かりません。

外壁リフォームの場合、元々の家の形を変えられるわけではありませんが、白やブルー系のサイディングを選んだり、窓周りにモールディングを設置したりすれば、ぐっと雰囲気が出ます。リビングから続く大きなウッドデッキを設置したり、庭に芝を張ってウッドテイストのフェンスを設置したりといった工夫をすれば、さらにカリフォルニアスタイルに近づけることができますよ。

ラップサイディングは平らな外壁材とは違って立体感と陰影があるため存在感が増すのも魅力。時間帯によって影の具合が変わるので、「何度見ても見飽きない」といった声もよく聞きます。新しく家を建てる場合はもちろん、リフォームでもぜひ、カリフォルニアスタイルのラップサイディングを実現してみてください。

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著者情報

外壁に関するデザイン情報、お困りごと、そしてご注意いただきたいノウハウなどを通じて、「樹脂サイディング(ゼオンサイディング)」のすばらしさに気づいていただくことを目指しています。

北米では外壁材として、とてもポピュラーな樹脂サイディング。
長寿命住宅が望まれる日本の住宅用外装材として、ますます注目されています。
お届けする情報を通して、多くの皆様のお役に立つことができましたら幸いです。

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